コロナで中止になってしまったツアー、I HUB YOU 2が二年越しに開催となりました。
大阪はKANA-BOON、名古屋はthe telephones、そして東京はUNISON SQUARE GARDENといった豪華な面々。
僕はTwitterのプロフィールでもベボべとユニゾンが好きと書くなど、この両バンドは自分にとって特別な存在。
この両バンドが交わることは決してないと思っていましたが、実現することになってとても嬉しいです。
今回は自分にとって特別な一夜となった、ベボベとユニゾンのライブレポです。
会場:Zepp Haneda
東京公演が行われた会場は、羽田空港の近くに位置したZepp Haneda
2020年夏にオープンとなった新しいZepp会場で、両バンドとも当会場での公演はおそらく初。
Hanedaは3000人近く収容できるとのことですが、今回のチケットは完全ソールドアウト。
場内の座席に関してはフロア全体に椅子が置かれ、整理番号が早い方から自由に選び詰めて座っていくという方式です。
隣の人との間隔はゼロでしたが感染症対策について会場側は特に気をつかっており、入場時の検温や消毒、換気などもしっかりしていた印象。
スタッフも鼻マスクや顎マスクの方を見つけたら即刻注意するなど、徹底されていました。
ちなみに入場時にドリンク代600円が必要で、Suicaなど電子マネーなどの支払いにも対応しています。
COCOAや本人確認などは求められませんでした。
会場の様子などはここまでにして、ここからは実際に見たライブレポを書いていきます。
UNISON SQUARE GARDEN
先行はUNISON SQUARE GARDENから。
開演時間19時ピッタリに暗転し、おなじみのSEが流れるとメンバー3人が入場。
衣装に関しては鈴木さんはツアー衣装、田淵さんは対バンなどイベントでお馴染みのDIESEL0078Tシャツ、斎藤さんはベボベを意識しているのか白シャツというスタイル。
「ああ 青春は止まらない」
ユニゾンのセトリはいつも読めないのですが、今回の対バンに関してはこれしかない!と思えてしまうような選曲が多かったのが特徴でした。
今回の対バン、1曲目に演奏されたのはなんとサイレンインザスパイ。
「ああ 青春が止まらない」という歌詞から始まるこの曲は、今思うと今回の対バンの狼煙をあげるのにピッタリな選曲。
完全にベボベを意識して選んだ一曲目なんだろうなと思わされました。
ベボべを意識した選曲の数々
続けて10% roll , 10% romance、オリオンをなぞると人気曲を投入していき、会場のボルテージを上げていきます。
特にオリオンをなぞるは、ベボベの代表曲であるドラマチックを意識しているのではないかと感じました。
ほら 僕たちなんて
オリオンをなぞる – UNISON SQUARE GARDEN
十分適度に ドラマチックさ
軽くスーパースター
同期を使わない曲を続けたのでベボベに寄せていくのかと思いきや、4曲目はmix juiceの言う通りを披露。
メンバー3人以外の音とコーラスも入っているため、ライブにおいて同期を一切使わないベボベに対してのカウンターのような機能を果たしていたのが印象的。
あと内容とは全然関係ないのですが、mix juiceの演奏中に鈴木さんがドラムを叩きながら水を飲ませてほしいとスタッフに指示していました。
水を飲む暇もないほど息をつかせぬ展開。これ以降もストイックなライブは続いていきます。(補足しておくと、場内は超乾燥していました)
対バンでも平常運転
そしてユニゾンは対バンにおいても通常営業。
曲間やMCの無さも相変わらずで、ほぼ休憩無しのノンストップで持ち時間40分を駆け抜けました。
ちなみにこの日曲以外で言葉を発したのは以下の通り
「UNISON SQUARE GARDENです!」
「今日は呼んでくれてありがとうございます」
「ラスト!」
「UNISON SQUARE GARDENでした!次はBaseBallBearです!」
MCが多いベボベとは対称的。
対バンであっても通常運転なスタイルを崩さないのがユニゾンの魅力であり、多くの方に愛されているところです。
そして今回のライブは対バンというか、まるでワンマンのように思えてしまうような演出が多かったのも特徴でした。
まるでワンマンと思わせられるライブ
4曲を終えて「呼んでくれてありがとうございます」と一言話したあとは、ワンマンライブの如くひたすら曲を畳み掛けていきます。
対バンでは珍しいドラムソロ→ベースソロ→ギターソロを挟んでのセッションから始まったフィクションフリーククライシス、
原曲と比べるとドラムの手数が圧倒的に増え大幅に進化していたシューゲイザースピーカー、
縦横無尽にステージを駆け巡る田淵さんが印象的だった世界はファンシーなど、カロリーの高い曲たちを次々と連発。
シュガーソングとビターステップにおいては鈴木さんはパーカーのフードを被って目隠しで叩いたりするなど、「あれ?これってユニゾンのワンマンだったっけ?」と思わせられるように感じてしまったのも印象的。
「My fantastic guitar」VS「ギター俺」
ベボベファンとして個人的におお!と思ったのは、世界はファンシー。
ギターソロ前に斎藤さんが発する「My fantastic Guitar!」はおそらく、ユニゾン版の「ギター俺!」
これを狙って世界はファンシーをセットリストに組んでいたとしたら、本当に凄いことですね…
「完全無欠のロックンロール」
そして楽しい時間も束の間、「ラスト!」と言って最後に演奏されたのはフルカラープログラム。
場内の照明が一気に明るくなるという、まるでアンコールのような演出に鳥肌。
ギターソロでは田淵さんだけでなく斎藤さんも前に出ていき、ギターをかき鳴らします。
完全無欠のロックンロールを歌い、持ち時間40分を駆け抜けBase Ball Bearへバトンを繋ぎました。
「次はBase Ball Bearです!!!」
19:40 終了
ユニゾン セットリスト
UNISON SQUARE GARDEN
LIVE IN LIVE ~I HUB YOU (Take)2~
サイレンインザスパイ
10% roll , 10% romance
オリオンをなぞる
mix juice のいうとおり
(セッション)
フィクションフリーククライシス
シューゲイザースピーカー
世界はファンシー
シュガーソングとビターステップ
フルカラープログラム
Base Ball Bear
19:56 Base Ball Bearスタート。
おなじみのSEで入場し、割れんばかりの拍手で迎えられるメンバー3人。
先ほどのユニゾンでテンションが上がっていたのか、3人顔を合わせる際に小出さんがなぜかドラム台で踏み台昇降していたのに笑いました。
17才〜DIARY KEY
拍手が鳴り止みSEも止まると、1曲目に演奏されたのは17才
「青春が止まらない」の歌詞から始まったユニゾンのサイレンインザスパイに呼応するかのような青春ソングです。
2曲目はDIARY KEY
二年前に対バンが発表された時には無かった手札で、今のベボベのモードを全面に押し出した楽曲です。
この二年の間にベボベもユニゾンも進化し、お互い新アルバムをリリースするなど精力的に活動を続けていました。
おそらく二年前に開催されていたら聴けなかったであろうこの曲。今回の対バンはただの二年越しのライブではないという意気込みが、ひしひしと伝わってくるかのようです。
ユニゾンをベタ褒め
2曲終えるとMCに入り、場内に割れんばかりの拍手が響き渡ります。
MCの内容はもちろんユニゾンについてなのですが、小出さんのテンションが上がりすぎているのか語彙の少ない感想ばかりに。
「ユニゾンすごかったよー!」
「ユニゾンありがとうー!!」
「ユニゾンの音楽は凝縮されてぐわってなっててすごい」
待ち望んだ対バンであったのか舞台袖に向かって何度も「ありがとうー!」と叫ぶ小出さんの姿が印象的でした。
ちなみにユニゾンと比べると自分達はMCが長すぎることをネタにしていて、「Twitterに『ベボベのボーカルMC長すぎて草www』って書かれそう」と自虐ネタも。(終演後エゴサするらしい)
そして小出さんはユニゾンの演奏力やプレイスタイルについても触れ、ユニゾンは3人の演奏が重なることで密度の濃い凝縮型の音楽になっていると例えます。
それに対して自分たちはそれぞれがはみ出しまくっている音楽であると例え、3人それぞれの個性が際立つ”あの曲”へと繋げていきます。
小出「これからもはみ出していこう!」
堀之内「はみ出して(やっちゃって)いいんですね!?」
丸VS三角
前述のMCを経て始まったのは、三者三様の個性とボーカルが際立つポラリス。
3ピースになったベボベの新しい可能性を広げた曲。
それぞれの音楽を図形で表現するとしたら、ユニゾンが密度の濃い円であり、それに対するベボベは大きな三角形。
先ほどのMCとポラリスを聴いて、そう感じずにはいられませんでした。
ユニゾンもベボベも同じ3ピースであるけれど、バンドの在り方もスタイルも違うことを再認識。
演奏では堀之内さんボーカル時に挟まれる雄叫び「羽田ーーー!!!」が場内に響き渡りました。
続く四つ打ち
ポラリスを終えると不思議な夜、short hairと昔の曲たちが続きます。
ここまで披露してきた曲は全て四つ打ちで、自分達の代表曲と呼んでも差し支えない曲ばかり。
緩急無しで揺さぶりをかけることなく全てを出し切り、ユニゾンに真っ向勝負を挑みます。
ユニゾンベタ褒め(2回目)
最新曲プールサイダーを終えると、2度目のMCへ。
先ほどと同様ユニゾンへのベタ褒めが続き、ユニゾン曲の情報量と密度も高ければパフォーマンスもすごいと褒めちぎります。
また話の中で「こういう曲を作って演奏できる体力があるってことは、逆算すると明るい人たちだね!」と言っていましたが、きっと場内の物好きたちのほとんどが「ユニゾンそこまで明るい人ではないですよ」と思ったことでしょう。
そして関根さんはユニゾンの演奏を見て「年齢を重ねても(田淵君のように)キッズのような動きや演奏をしていきたい」と感化され、小出さんは「田淵君を超えるには、モニターを二段重ねにするしかない」と突っ込み場内に笑みが漏れる。
二段モニターを飛び越えることができたら斎藤さんと田淵さんを掛け合わせたハイブリッドになれるかもしれないと言っていたので、今後もしかしたらモニターを飛び越えようとする小出さんと関根さんが見れるかも…?
パーカー目隠しもあったら鈴木さんも加わるので、堀之内さんも是非お願いします。
ロック憧れ
朝から一緒に会場入りし、ユニゾンのリハを見て刺激を受けたという小出さん。
音楽性などは全然違いますがリハーサルから共通点を感じたといい、それが「両バンドともロック憧れがある」ということ。
両者ともTRICERATOPSやthe pillowsなどに影響を受け、下北沢や渋谷で育ったほぼ同世代バンド。
完全無欠のロックンロールを歌うユニゾンと、爆音でロックンロールさせるベボベ。
音楽性は違えど志は同じということを言葉にし、Tabibito in the Darkへと繋げていきました。
クライマックス
Tabibitoで大きな盛り上がりを見せたあとは、ライブ本編はクライマックスに突入。
堀之内さんの「まだまだ行けるかー!!!」という雄叫びで始まった十字架 You & I
関根さんも田淵さんをリスペクトしているかの如く動き回り、小出さんもギター俺こそ言っていないもののソロでは前に出て長尺のソロを弾き倒すなど白熱した展開に。
十字架が終わった後は場内が真っ暗になり、アカペラのままThe Cutのラップに突入。
この始まり方は初めてだったのでとても新鮮でした。
そして息をつかせぬ展開を続けたのも束の間、ギターを弾きながら「今日はありがとうございました」と挨拶すると最後の曲へ。
最後はもちろんドラマチック。
この日を待ち望んだ全ての人に捧げられ、ドラマチックな夜を締めくくりました。
20:55本編終了
アンコール
20:57アンコール開始
3人が再びステージに現れると、大きな拍手が湧き上がります。
そしてここで告知、三年ぶりの日比谷ノンフィクションⅨ(9)が決定したとのこと。
再び場内が割れんばかりの拍手に包まれます。
僕はベボベの聖地ともいえるライブ会場は三つあると思っていて、一つはインディーズの頃に育てられた下北沢GARAGE、二つ目は高校生の頃に誓ったワンマンをやる夢を叶えたZepp Tokyo、そして三つ目が今も晴れ伝説を更新し続けている日比谷野外音楽堂。
日比谷以外の会場は無くなってしまったため、こうしてまた日比谷で演奏できる日が来るというのはとても嬉しい。
5月が楽しみです。
ありがとうユニゾン
そして日比谷の前にはユニゾン主催の対バンにも呼ばれており、4月には再び対バンが待っています。
またこうして最高の夜が待っていることへの嬉しさからか「ありがとうユニゾンー!!」と舞台袖に向かって叫びまくる小出さん。
今日の小出さんは本当にテンションが高い。
今回記念すべき対バンであったことから、ユニフォーム交換的な感じでユニゾンから一曲カバーしてきたそう。
声の高さが違いすぎたり技術が高ぎるところは挑戦しようともしなかったと笑いも交えつつ前置きし、自分たちなりに咀嚼しめちゃくちゃ作り込んだガチアレンジになっているとのこと。
演奏前は小出さんが「今からユニゾンの曲やるぞー!!!」「ガチアレンジしたからトリビュート呼んでくれよな!!!」と舞台袖に何度も叫んでいました。
次のトリビュートが発売されるとしたらBaseBallBearが一番手として収録されていることでしょう。
ちなみにガチアレンジするにあたってライブ映像も見たらしく、ライブでは田淵さんが手広げまくっていたのでほぼ弾いていないんじゃないか疑惑も上がっていました。(映像はおそらくこれ?)
カバー曲はそんな田淵さんが演奏中に手を広げまくる曲、そしてベボベの三人ともがユニゾンの中で最も好きな曲である、とのことで場内の期待が高まります。
歌い出せばミュージシャン
三人満場一致で好きな曲、として演奏されたのはライドオンタイム
原曲の面影は少なからずあるものの、曲の雰囲気やテンポもベボベに寄せ大幅なアレンジが施された曲になっていました。
第一印象としてはSchool girl fantasyのような雰囲気がありつつ、爽快感があった原曲と比べてテンポを落とし、全体的にポップに仕上げている印象。
アルバム十七歳やLOVE&POPあたりに入っていてもおかしくないような曲に仕上がっていました。
ラスサビ前に楽器隊の演奏が一瞬止まる、タメの部分は鳥肌が立つほど格好良かったです。
本当に完成度が高かったので、願わくば次の対バンでも是非やってほしい。
祭りのあと
楽しいライブも束の間、次で最後の曲。
最後はもちろん祭りのあと
小出さんが「東京ーーー!!!」と叫び、ギターソロでは関根さんが煽り、最後は堀之内さんが椅子の上から大ジャンプ。
最高の一夜が幕を閉じました。
21:14終演
終演後は規制退場となり、後ろに座っている人から順に退場となりました。
ベボベ セットリスト
Base Ball Bear
LIVE IN LIVE ~I HUB YOU (Take)2~
17才
DIARY KEY
(MC)
ポラリス
不思議な夜
short hair
プールサイダー
(MC)
Tabibito in the dark
十字架 You & I
THE CUT
ドラマチック
ライドオンタイム
祭りのあと
終演
待ちに待った二年越しのライブ。
この公演を超える対バンは今後無いのではないかと思えてしまうほど、素晴らしいライブでした。
4月はもう一度ユニゾン主催でベボベとの対バンが既に決定済。
一ヶ月半後にもう一度この楽しみが待っていると思うとこんなに嬉しいことはありません。
ダイジェスト映像
ライブから四日後、公式YoutubeチャンネルでDIARY KEYとTHE CUTのダイジェスト映像が公開されました。
当日はベボベのみ最初から最後まで収録が入っていたので、カバーも含めて何かのタイミングで全編映像化してほしい…
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