ベボベの日比谷野音がついに帰ってきた!
1~2年のペースで毎年開催されていたベボベの恒例ワンマンライブ、日比谷ノンフィクション。
コロナ渦になってからは一度もやっていませんでしたが、この度3年ぶりに開催となりました。
開演
17時ちょうど開演。
おなじみのSEと共にメンバーが入場。
定位置につくと一曲目が奏でられ、BREEEEZE GIRLでライブはスタート。
ベボベらしさを前面に出した定番のこの曲は、日比谷の1曲目としてピッタリな選曲。
この日は曇り空でちょっと肌寒かったので夏はまだ少し早いかもしれない、と思ったら2曲目はいまは僕の目を見て
新旧の爽やかな選曲が続き、日比谷をベボベの世界観に包み込んでいきます。
雨降らない記録更新
日比谷はベボベにとって特別なライブで、10年以上このシリーズは続けられています。
今回で9回目の開催となりますが、今回も曇天ではありますが雨は無し。
正確に言えば中盤以降は小雨が降ったり止んだりすることになりますが、これまでも公演中に小雨が降ることは数回あったため、天候による不敗記録は今回も更新。
ということもあり、最初のMCでは「降らないなー!!」と空に向けて叫ぶ小出さん。
曇り空とコロナ以降のライブで初の満キャパ(定員キャパシティ)ということもあってテンションが上がったのか、「満キャパ!(パパパン)満キャパ!(パパパン)」と飲み会コールのようなノリになるという。
過去曲が続く
演奏が再開すると、ここからは過去曲を中心にセットリストが進んでいきます。
久々の演奏となったそんなに好きじゃなかったではアウトロのギターソロがかなりの長尺に。
過去曲はアレンジが加えられて披露されることが多く、圧巻のソロを日比谷で見せつけてくれました。
文化祭の夜はオンラインライブでは演奏していましたが、人前で演奏するのはかなり久々。
4人時代の曲を3人用に作り直して演奏しているためか、リズム隊の力が大きく感じられる曲となっていました。
そしてTour光源以来の演奏となった(LIKE A) TRANSFER GIRLの後に続けてTransfer Girlを披露するという凝ったセットリストにも注目。
きっと誰もがこの流れを待ち望んでいたと思うのですが、こうして実際に目にするとなんとも言えない感慨深さがあります。
「感慨を下げてほしい」
しかしそんな感慨深さを感じているのは観客だけではありませんでした。
二度目のMCでは小出さんもソールドアウトした客席を見て「感慨深い」「緊張している」とポツリ。
「感慨がライブを追い越しちゃっている(だから緊張している)から、俺の感慨を下げてほしい」と関根さんと堀之内さんにお願いする小出さん。
すると手からテレパシーのようなものを放って感慨を下げようとするリズム隊。いいバンドメンバーや…
そしてようやくリラックスして緊張感がただよい、次の曲に向かうかと思えば
小出「もうちょっと喋ろうよ~」
全員ズッコケ。でもこのユルい漫談を見ている感じこそがBase Ball Bearだなと。観客はさらに感慨深い気持ちになりました。
新旧でゆさぶり
「とてもいい雰囲気の曲」という前振りで始まったのはCross Words
リリースした直後にコロナ渦となったので人前で披露することが少なかったのですが、ようやく沢山の人の前で演奏されることになりました。
アウトロのギターソロが長めになった_touchと新しめの曲が続き、かと思えばSIMAITAIと初恋といった少し昔の曲も織り交ぜていくなど、セットリストに揺さぶりをかけていきます。
ここまで10曲演奏されましたが、そのほとんどが久々の披露という最近のベボベには中々ないセットリスト。
Twitterで週1ペースで定期的に開催されているスペース(通称:小出コスモ)では事前に「見逃したら後悔するセットリスト」「猛練習している」とも言われていたため、こういうことだったのかと
ゲスト祭り
10曲演奏し、一段落。
ここで小出さんがリズム隊二人に「日比谷ってどんなライブ?」か尋ねると、返ってきたのが「お祭りのようなライブ」「身内ノリのような感じでもいいライブ」
ここまで演奏された曲のうちほとんどが久々の披露ということもあってプレミアム感のあるお祭りライブ、というのは分かりますが、身内ノリとは何か。
実はベボベの日比谷ライブでは、数回の例外を除いてゲストミュージシャンを招くことがほとんど。
今回もゲストミュージシャンを呼んでいるとのことで、まず一人目のゲストは10年前にコラボして以来一度もライブで呼んだことが無いという人物。
誰なんだろうと思考を巡らせていると、ステージに登場したのは…
きゅるり
ステージに登場したのは、なんと声優・花澤香菜さん。
数年前に弓木さんボーカルで恋する感覚を演奏していたのでこの曲はもう二度とやることは無いと思っていましたが、まさか10年の時を経てコラボするとは誰が想像できたでしょうか。
花澤さんは数年前の日比谷ノンフィクションに招待されたもののゲストとコラボしているベボベを見て「自分にも恋する感覚という手札があるのに…」とずっと指を咥えてみているだけだったとのこと。
そんな10年待った勢いを発散させるかのようにベボベのライブでは一度も見られないウェーブをするなどして客席を盛り上げ、そして待ちに待った恋する感覚を10年越しに披露するのでした。
演奏が終わりステージを去る花澤さんに「また次のライブで」と呟いた小出さん。
再コラボ待っています。
その後も続くゲスト祭り
そしてゲストは花澤さんだけではありません。
その後もゲスト祭りは続き、2人目のゲストvalkneeさんとは最新アルバムDIARY KEY収録の生活プリズムを、そして3人目のゲスト呂布さんとは歌っているんだBabyを演奏。
生活プリズムは昨年に行われたツアーDIARY KEYの東京公演にて演奏されていた曲。
それ以外の会場では披露されていなかったので、こうしてまた間を置かずにコラボしてくれるのはとても嬉しいです。
そして日比谷ノンフィクションの(おそらく)最多ゲスト出演記録を更新している、呂布さん。
初めて出たときは10代で渋谷からバスケットボールをドリブルしながらやってきたと言い、今回は車で来たというコメントに年月を感じてしまう。
関根さんが楽器をチャップマンスティックに持ち替え(かなり久々!)、奏でられたのは歌ってるんだBaby
前回の演奏から10年が経ち、今となっては当時と演奏形態も楽器も違いますが、何年経ってもこの曲を歌ってくれて本当に嬉しい。
チャットの…
これまでのゲスト二人と違い、歌ってるんだBabyが終わってもステージに残り続ける呂布さん。
「この人がいるならあの曲(クチビル・ディテクティヴ)もやりたいよね」ということで、ゲスト福岡晃子登場…と思いきや、この日はスケジュールが合わず呼ぶことができなかったそう。
なので今回は代役として福岡さんにゆかりのある人に来てもらった、とのことですが何関係の知り合いかの話になると言葉を濁す小出さん。
「インターネットで知り合った…チャットの友達の…チャット、ンンンチー…」
ということでステージに現れたのは、チャットモンチーのボーカルギター橋本絵莉子さん。
演奏前に「クチビル・ディテクティヴはボーカルをゲストに呼んだら面白くないからベースに歌ってもらった曲」と言っていたので、いわばこれは本家のさらに本家ということになるのでは。
こうした面白いコラボレーションを見ることができるのも、日比谷ノンフィクションならではだと感じました。
自分の力だけじゃなかった
ゲストのコーナーが終わって外も暗くなってきた頃、少し小雨が降る中で小出さんはこれまでのBase Ball Bearの道のりを振り返ります。
10年前は自分の力だけでバンドを引っ張っていたと思っていたけれど、メンバーやスタッフ、そして来てくれるお客さんのおかげでここまでやってこれた、とメンバー二人、スタッフ、そして会場にいる全員に感謝の気持ちを述べます。
感慨から感謝へ、場内が大きな拍手に包まれました。
そんなMCから繋いだのが、Tabibito in the Dark
小出さん一人のギターから始まり、ベース、ドラムと、音が少しずつ加わり完成されていく曲。
MCと被るような流れと曲調に、心を打たれました。
そして最後の曲はレモンスカッシュ感覚。という珍しい選曲。
珍しいとはいえ、ベボベの歴史には絶対に欠かせない一曲。
いつまでも日比谷野音をやり続けてほしい、そう思えるようなライブでした。
18:52 本編終了
アンコール
18:54 アンコール開始
メンバー3人が再び定位置に戻り、アンコールがスタート。
曲の前に「発表があります」と言い、深刻な表情で話し始める小出さん。
「2~3年前からメンバー・スタッフと話し合い、一つ大きな決断をしました」とのこと。
その様子に、不穏な空気が流れる客席。
「こちらです!」
と言い、降りてきた幕に書かれていたのはなんと、10年ぶりキャリア3度目となる武道館公演の告知。
20周年最後の日となる2022年11月10日が奇跡的に空いており、この日に20周年イヤーの最後を飾る武道館公演を決めたそう。
「ここにいる全員(2000人)が一人で5人ずつ呼んでくれたら、武道館は大成功します」
と笑わせてくるも、こうして再び武道館をやることを選んでくれたことがとても嬉しい。
そしてベボベのライブでは珍しく、ここでステージの写真撮影がOKの時間に。
武道館を大拡散してほしいとのこと。
(#ベボベ武道館)
ちなみにこの武道館公演発表のあたりから雨が止むという、神がかったようなタイミング。
やっぱりベボベは何か持っている。最高の晴れバンドです。
上がるしかないようだ
沢山の人にカメラを向けられたことと、先ほどの花澤さんのウェーブを見たからか、スマホライトを付けた景色を見せてほしいという小出さん。
2000人のスマホライトで美しく照らされた客席を見て「このまま曲やろう!次はスマホライトが似合う曲だから!」とのことで、そのまま次の曲の演奏がスタート。
演奏されたのはStairway Generation
スマホライトが似合うかどうかは、おそらくPVを意識した発言なのかと思ったり。
聞こえますか? 感じてますか? 僕の声を
あがるしかないようだ Stairway
ベボベはこれからも駆け上がっていく。
そう思わせてくれる歌詞に、10年ぶりの武道館がとても楽しみになりました。
そして、最後はPERFECT BLUE
「もうすぐ夏が来る」という歌詞に、その先の秋にある武道館がとても楽しみになりました。
19:10 終演
ちなみに終演後、武道館発表から完全に止んでいた雨が再び降り始めたのでした。
終演
晴れ記録更新、新旧織り交ぜたセットリスト、ゲスト祭り、そして武道館公演の発表と、数々のドラマが入り混じった日比谷ノンフィクションⅨ
まだまだベボベ20周年は終わりません。
今から半年後の武道館公演がとても楽しみ。
セットリスト
Base Ball Bear
日比谷ノンフィクションⅨ
セットリスト
BREEEEZE GIRL
いまは僕の目を見て
(MC)
そんなに好きじゃなかった
文化祭の夜
(LIKE A) TRANSFER GIRL
Transfer Girl
(MC)
Cross Words
_touch
SIMAITAI
初恋
恋する感覚 (花澤香菜)
生活PRISM (Valknee)
歌ってるんだBaby. (呂布)
クチビル・ディテクティブ (橋本絵莉子+呂布)
Tabibito In The Dark
レモンスカッシュ感覚
アンコール
Stairway Generation
PERFECT BLUE
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